スウェーデンで看護師として働いて13年になります。日本で看護師としてがん専門病院に勤めていた事もあり、ストックホルムのがん治療に携わる部署で10年間働きました。その後、がん治療以外の事は何も知らない!と思い、ここ数年は「救急外来」「内視鏡外来」と、異なる分野の勤務場所を渡り歩きました。
しかし、やはり古巣のがん治療が恋しくなり、この5月に再びがん治療の現場に戻ることを決めました(スウェーデンの場合、病院に就職するのではなく、その部署に就職をするので、自分で求職をしなければ同じ部署に30年勤務する事になり、院内での異動という事がまずありません。)。
私がスウェーデンの免許を取った2003年当時、免許の取得には「EU外医療者用の語学試験」に合格することが必須でした。試験が年に数回しかないためなかなか大変でしたが、テスト勉強自体は臨床に沿った内容だったので、その後の仕事ではとても役に立ったと感じます(例えば、口頭試験では医師はアナムネ取り、看護師は電話での医療相談など)。
今でも覚えているのがリスニングの練習で、「ノーベル賞 生理学・医学賞」をテーマにしたラジオの番組を聞かされたことです。こんなの日本語で聞いても分からないに、スウェーデン語で理解できる訳がないじゃない…と。一緒に勉強をしていたロシア人の外科医が「リスニングをして答えるよりも、自分の元々の知識を使って答えたほうが正解率が高い。だから、頑張って聞く意味がない!」と、こぼしていたのが印象的でした。
あれから15年ほど経ち、スウェーデン語はあの頃よりは当然出来るようになりましたが、未だに40と70をきちんと言えないので、Personnummerを読み上げる時は ”fyra noll (four zero)” “sju noll (seven zero)”と発音しています。
スウェーデン在住の日本人の皆さんから「スウェーデンにいたら殺されるから、病気になったら日本に帰る」という事を聞いたりします。確かに、スウェーデンの医療には問題はたくさんありますが、日本と医療システムが全く違うために、システムを知らない日本人には利用しにくいという状況もあります。スウェーデンの医療システムに関する知識が少しでもあれば、日本人にとってももう少し暮らしやすくなるのかな?と。
スウェーデンの医療システムを理解する、そのお手伝いが少しできたらいいかなぁと思っています。
#Lisa Indra