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Uncategorized – スウェーデン日本人医療従事者の会

メンバー紹介:ひろみです。

はじめまして。ひろみと申します。スウェーデンに来てようやく生活準備が整った所でこれから始動という状況です。語学の習得と共にこちらの医療にも関心があり学ぶ機会を得たいなと考えている所です。 日本では看護師としては急性期病院で長く勤務し、臨床での一番長い経験としてはICU/ERです。また、教員として教育に携わった経験もあります。 皆さまのこちらでの経験、情報がこちらで得られること、大変心強いです。どうぞよろしくお願いします。

# ひろみ


2019年 JHPS 忘年会

11月30日夕方6時から、少し早いJHPSの忘年会が、イタリアン・レストランで予定通り催されました。当日突然来られるようになった方も含めて、参加者は全部で9人。参加者の自己紹介の最中から、様々なコメントや質問が飛び交う、とても賑やかな集まりになりました。最初から話がはずみっぱなしで、うっかり写真を撮り忘れてしまったので、残念ながら忘年会の様子をお見せできません。すみません。色々な部署で働いている人たちの集まりなので、様々な体験談で話が盛り上がり、何度も爆笑が起こっていました。今回参加できなかった方、次回は是非参加して、職場での面白おかしいこと、困ったこと、怒りの鉄拳になったことなどシェアしてください。もちろん真面目な医療のお話も!

# Birdwatcher


V45はドナー週間


11月4-10日はドナー週間です。

今までない数の患者さんが臓器移植の順番待ちをしています。

この機会に臓器提供・意思表示、考えてみませんか?

<iframe title=”vimeo-player” src=”https://player.vimeo.com/video/364720881″ width=”640″ height=”360″ frameborder=”0″ allowfullscreen></iframe>

お近くの病院などでも移植・ドナーに関するイベントも予定されていると思います。

ストックホルムであれば、Karolinska(Solna) 4-7日10‐14時に移植コーディネーターが移植について話をする場を設けています。(メインエントランスの近くのVårdforum)

https://www.karolinska.se/om-oss/centrala-nyheter/2019/10/donationsveckan-2019/

# Lisa Indra


10月16日は「Restart a Heart Day」!


「毎年10月16日に心肺蘇生講習会を!」という日のようです。それに合わせてスウェーデンでは、心肺蘇生週間(HLR-vecka=Hjärt Lung Räddning週間)が10月14‐20日に予定されています。

ストックホルムのカロリンスカ病院(ソルナ)では10月16日10‐14時、心肺蘇生のデモンストレーションや動画の上映、心臓血管の疾患とライフスタイルを研究しているMatthias Lidinからのアドバイスのイベントが計画されているようです。ちなみに心肺蘇生は大人だけではなく、赤ちゃんや子供への心肺蘇生のデモンストレーションもあるようです。

この機会に心肺蘇生法を練習してみませんか?

https://www.karolinska.se/for-patienter/patientinflytande/vardforum/program-vardforum/

# Lisa Indra


Avancerad Klinisk sjuksköterska (AKS)


先日看護師用の雑誌を読んでいて、Avancerad Klinisk sjuksköterska (AKS)という言葉を目にしました。以前から、スウェーデンのLinköping大学では外科系のAKSを養育するコースがあることは聞いていましたが、Primärvården (プライマリーケア、地域医療)で活躍している看護師の事は今回初めて知りました。

アメリカには60年代よりこの様な資格があり)(アドバンス)・ナース・プラクティショナー(ANP)と呼ばれています。

レポタージュでインタビューされているナースは、元々救急隊員のスペシャリストであり、その後AKSのコース(18か月)をフィンランドで学んだようです。

彼女が働いているのは北スウェーデンで、人口密度がとても低い場所。以前より勤務医がなかなか長期的にとどまらず、医師の枠のカバーをするためにもAKSに力を入れているのではないかと私は想像します。もちろん、AKSは医師の代用として働けるわけではなく、彼女がしているのは診察、検査のオーダー、そして治療のプランを立てる事。

アメリカのANPとは違い、スウェーデンのAKSには処方箋を書く権利は認められていません。彼女は「薬に関しては医師の分野だと思うの。副作用や薬物の相互作用などは医師の責任だと思うし。でも、以前なら明らかに腕が折れているだろうと思われる患者さんも医師にレントゲンの指示票を書いてもらわなくちゃならなかったけれど、今は自分でオーダー出来るからその点は楽になったし、時間の短縮にもなったと思う」と、語っています。

日本ではまだこのような資格はありませんが、「日本看護協会」は下記のようなコメントを書いています。

日本看護協会では、看護の基盤をもちながら、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行う、米国等のような「ナース・プラクティショナー」の資格を、日本においても新たに創設し、急増する医療ニーズに応えていくことが必要だと考えています。

そして、こんなシンポジウムも予定されているので、日本でANPナースの興味がどんどん深まっているようです。

https://www.societyforjapn.com/?fbclid=IwAR2iGEpgYUaqOs__mJp3bN-EBT_RrP-DiwjDtLw4icB62fiXnsnNJgYrzb4

現在スウェーデンには30人ほどのAKSが働いているとの事です。

看護師のキャリアアップには色々な道がありますが、これも一つの選択肢ですね。


若い頃は「看護師はミニドクターではないのに…」という意識もありましたが、状況、環境が変わればそれに応じて職種などに変化が起こるのも当然なのかもなーと今は思っています。年を取って丸くなったのかもしれないですね。

https://www.swenurse.se/omvardnadsmagasinet/senaste-nr/nr-01-argang-2019/maria-avancerad-klinisk-sjukskotersk/

ナース

・プラクティショナーナース・プラクティショナー

# Lisa Indra


春一番、AW

ストックホルムの路傍にも花が咲き始めました。待ち望んだ春です!

4月5日にOdenplanのBuco Neroで5時からAWを開催しました。結局8人集まりまして、笑いの堪えない楽しいひとときを過ごしました。

日本人だから、しかも医療従事者同士だから出来る本音トークはやはり格別です。不定期ですが、こうやってちょこちょこと皆さんにお会いできる機会を増やしていけるといいなーと思います。次の企画、誰か宜しくお願いします。

今日の格言: 体のたるみは心のたるみ。(Y子さん、勝手にお借りしました。)

#幹事


歯科治療手当について


治療費について、何件か質問があったので、情報をシェアさせていただきます。

Personnummerをお持ちの方で、Försäkringkassanにまだ登録をされていない方は、歯科治療を受ける前に登録をしてください。登録が完了するまでに私の時は1~2か月だったように思いますが、今は半年以上など結構時間がかかる場合もあるようです。(ホームページから登録に必要な用紙もダウンロードできますし、必要な書類などの情報ものっています。)

スウェーデンでpersonnummerがあれば、23歳以下は治療費はかかりません。24歳から29歳までは年に600クローネの歯科治療手当がもらえます。これは二年、有効期間があります。30歳以上64歳以下は年間300クローネになります。有効期間は同様。65歳以上は再び600クローネになります。

歯科治療費はまず政府の決めた価格referenceprisというのがあり、それを参考にFolktandvårdであれば各自治体が、プライベートのクリニックであればその医院自体が費用を決定します。私が見てきた中では、Folktandvårdはreferencepris 据え置きか、それよりちょっと高いくらい。プライベートでは、refarenceprisの1.3~1.5倍くらいの価格設定かなと思われます。

例えば歯科検診で来院した場合、私の勤務する医院だと、

レントゲン4枚含む虫歯の検査、歯周病検査あわせて852クローナ

歯石取り、歯面研磨(表面をつるつるにして歯石が付きにくいようにします)、フッ素塗布で、歯周病の程度により費用は364クローナか572クローナになります。

虫歯など特に治療が必要なければ一年に一回このような検査と歯石除去、クリーニングをするのが一般的です。

もし、Försäkringkassanからの歯科治療手当(Tandvårdbidrag)を二年間使用していなかった場合、

24~29歳であれば600×2で、1200クローナ分の手当てが利用できるので、

852(検診)+364(クリーニング)-1200(手当分)=16SEK

30歳以上で高い方のクリーニングの処置となったとしても

300×2で600クローナの手当てがあるので

852(検診)+572(クリーニング)-600(手当分)=824SEKとなります。

日本で同じことをした場合、大体同額になりますが、国民健康保険があれば三割負担なので、3000円くらいになります。

治療が必要となると、日本は政府の決めた価格自体が安いということと、三割負担ということでスウェーデンに比べるとかなり安くなります。

スウェーデンでは治療費が3000クローナ以上になる場合、Försäkringkassanに登録されていれば、3000を超えた分の半額をFörsäkringkassanが負担してくれます。プラスチックの詰め物程度の治療であれば3000を超えることはありませんが、根の治療、かぶせなどが必要になると、3000以上はほぼ必ずかかります。

ただスウェーデンの治療でいいのは、インプラントも場合によっては補償の対象に含まれるということです。日本ではインプラントはすべて自費治療となります。

いずれにせよ、スウェーデンの歯科は高いというイメージが先行しているようにおもいますが、検診をしっかりとして、痛くなる前に先手、先手を打っておけば、大きな治療が必要になることもなく、費用におびえる必要もなくなります。歯科治療手当を二年使わないと、そのまま失効しますので、無駄にせず、ぜひ活用してください。手当は、コンピューターでデーター管理されているので、患者さんがどれだけ手当を使えるかというのは歯科医院で把握できます。歯科医師か衛生士がたいていの場合、『手当がこれだけ残っているけど、今回使いますか?』と聞いてくれると思いますが、何も言われなかった場合、予約をするときにでも、『どれだけTandvårdbidragが残っていますか?』と聞くか、治療をする前に「Tandvårdbidragを使いたいんですけど」といわれるといいかと思います。

うんざりするほど聞いたことがあるかと思いますが、歯医者はいたくなる前に行きましょう(笑)。


本の紹介:スウェーデンの作業療法士-大変なんです、でも最高に面白いんです  河本佳子著

スウェーデンの作業療法士である著者が約20年前に出版した本ですが、現在形でも十分に通じるスウェーデンの医療福祉の現場が実例を交えてとてもわかり易くしかも本音で描かれています。

かつて福祉先進国と呼ばれたスウェーデンも世界にもれず(?)不況の波を受けて、あちこちの地域や病院で財政立て直しのための頻繁な組織改革が繰り返されています。それに対する著者とその同僚たちの不満&ウンザリ感や右往左往している様子には私にも近年覚えがあったのでニヤリとしてしまいました。また日本からの視察団がよく聞く質問に著者が感じる逆カルチャーショックやその背景、両国の医療福祉現場の長所および短所(というか問題意識)、そして本書のいたるところで出てくるスウェーデンというお国柄について等々、普段私が職場で漠然と感じていることが上手く文章化されていたので、読んでいてスッキリというかもう感動の領域でした。 著者は小児専門の作業療法士ですが、書かれている内容はリハビリテーション且つハビリテーションそして医療福祉全体に通じる内容でもあり、急性期病棟で働く理学療法士としてもインスピレーションもらいました。 この国の医療福祉の仕組みや、作業療法士&理学療法士の働き方について興味がある人には本書をお勧めします。むしろ、病院&施設見学したいと言ってスウェーデンに来る人にはまず本書を読んでもらってから来てほしいというのが私の本音です。20年前に書かれた本だから時代遅れだと侮らずに、しっかり目を通して頂きたい一冊です。

# NONA


Standardiserade vårdförlopp

皆さんはStandardiserade vårdförlopp(SVF、癌疾患の医療プロセス)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

しばらく前(確か7-8年ほど前)スウェーデン国内のどこに住むかで、がんの診断・治療を待つ時間にバラツキがあり、とても不公平だとメディアなどで大きく取り上げられました。2014年にスウェーデン政府はそのバラツキを出来るだけ軽減するという目的で、Standardiserade vårdförlopp(SVF)というプロジェクトを開始しました。

SVFとはがんが疑われた場合、どんな検査をどれだけの期間に行い、手術や放射線などの治療をいつまでに行われるようにするのか?というプロセスを示したものです。疾患によって、検査や目標とする期間には違いがあります。

SVFという言葉が書いてある紹介状の場合、一定の期間内に検査・治療を予約するようにしています。(残念ながら必ずとは言えませんが、その期間を過ぎると施設にペナルティーがかかるような仕組みになっているはず)

検査・治療の待ち時間が一番つらいと多くの患者さんがおっしゃいます。

それを出来るだけ迅速に、しかも的確な検査でプロセスを進めるというのがSVFの一番の目的だと思います。そして、そのプロセスが国内どこに住んでいても同じように進められるというのも重要なポイントです。スウェーデンではOrättvis(不公平)ということをかなり嫌う国ですから。

こちらのページでは疾患別のSVFのプロセスが確認できます。

https://www.cancercentrum.se/samverkan/vara-uppdrag/kunskapsstyrning/vardforlopp/

SVFは2015年より始まりましたが、残念ながらいまだに地域差があるという報告もあります。

https://www.cancerfonden.se/nyheter/vantetider-i-cancervarden-ar-ett-geografiskt-lotteri

非常に個人的なことですが、去年の夏に血の塊が出るような血尿があり、SVFのお世話になりました。VCに受診後10日間以内にCTと膀胱鏡の検査。VCの医師には「癌ではないとは思うけれど、最近はこういうプロセスをふむのよ。でも、癌は殆ど疑ってないんだけどね、万が一のことを考えて」と何度も念を押されました。「万が一のことを考えての検査だから」と軽く考えていた私ですが、自分のカルテに「SVF」の文字を見た時は、癌という疾患をとても身近になり少しだけ怖くなりました。(日頃、がん医療で働いているのにもかかわらず!)
ただ、私のような余り癌の可能性のない症例が、本当にがんの疑いの高い人の検査を押しのけているのでは?という気もちょっとしてしまったのでした…。でもきっと日本ならばその日のうちに検査とか入るのかもしれないですね。すっかりスウェーデンのペースに慣れてしまっている私でした。それがいいのか?悪いのか?

# Lisa Indra


患者さんの払う医療費 (Patientavgifter)

こちらが2019年のストックホルムの患者さんが負担する医療費の情報です。

https://www.karolinska.se/globalassets/global/administration/ekonomiavdelningen/patientavgifter-a3.pdf2019.pdf

毎年少しずつ変更があり、Landsting(県)によって違いますので、お住まいのLandstingの情報を確認してください。

こちらの情報では、12か月の間に外来受診で1150kr(約1,3万円)払えば、それ以上の医療費は無料です。この中に歯科受診は含まれません。入院費はこの1150krの中に含まれませんが、1日につき100krです。これは手術をしても、ICUに入院であっても、1日100krです。

先日、友人から「日本で承認されたCar‐T細胞療法って4000万円とかって聞いたんだけれど、スウェーデンだとどうなの?」と聞かれました。
この治療法は一部の白血病などの治療法として、今年2月に日本でも承認されたばかりの治療法です。がん患者の体内からT細胞と呼ばれる免疫細胞を取り出し、攻撃する力を高める遺伝子を組み込んで体内に戻すことでがん細胞を攻撃する治療方法です。

標準治療ではありませんが、スウェーデンでも行われている治療のようです。
こちらは外来受診ではなく、入院での治療になるので、患者さんが支払う金額は1日100krです。他の免疫療法以上に更に高額な治療であり、治療費のほとんどの部分は公費での負担になるので、どの患者さんにこの治療が適応されるかは主治医だけではなく病院全体の承認が必要などのプロセスがあるのでないかと個人的には想像します。

# Lisa Indra