先日看護師用の雑誌を読んでいて、Avancerad Klinisk sjuksköterska (AKS)という言葉を目にしました。以前から、スウェーデンのLinköping大学では外科系のAKSを養育するコースがあることは聞いていましたが、Primärvården (プライマリーケア、地域医療)で活躍している看護師の事は今回初めて知りました。
アメリカには60年代よりこの様な資格があり)(アドバンス)・ナース・プラクティショナー(ANP)と呼ばれています。
レポタージュでインタビューされているナースは、元々救急隊員のスペシャリストであり、その後AKSのコース(18か月)をフィンランドで学んだようです。
彼女が働いているのは北スウェーデンで、人口密度がとても低い場所。以前より勤務医がなかなか長期的にとどまらず、医師の枠のカバーをするためにもAKSに力を入れているのではないかと私は想像します。もちろん、AKSは医師の代用として働けるわけではなく、彼女がしているのは診察、検査のオーダー、そして治療のプランを立てる事。
アメリカのANPとは違い、スウェーデンのAKSには処方箋を書く権利は認められていません。彼女は「薬に関しては医師の分野だと思うの。副作用や薬物の相互作用などは医師の責任だと思うし。でも、以前なら明らかに腕が折れているだろうと思われる患者さんも医師にレントゲンの指示票を書いてもらわなくちゃならなかったけれど、今は自分でオーダー出来るからその点は楽になったし、時間の短縮にもなったと思う」と、語っています。
日本ではまだこのような資格はありませんが、「日本看護協会」は下記のようなコメントを書いています。
日本看護協会では、看護の基盤をもちながら、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行う、米国等のような「ナース・プラクティショナー」の資格を、日本においても新たに創設し、急増する医療ニーズに応えていくことが必要だと考えています。
そして、こんなシンポジウムも予定されているので、日本でANPナースの興味がどんどん深まっているようです。
https://www.societyforjapn.com/?fbclid=IwAR2iGEpgYUaqOs__mJp3bN-EBT_RrP-DiwjDtLw4icB62fiXnsnNJgYrzb4
現在スウェーデンには30人ほどのAKSが働いているとの事です。
看護師のキャリアアップには色々な道がありますが、これも一つの選択肢ですね。
若い頃は「看護師はミニドクターではないのに…」という意識もありましたが、状況、環境が変わればそれに応じて職種などに変化が起こるのも当然なのかもなーと今は思っています。年を取って丸くなったのかもしれないですね。
ナース
・プラクティショナーナース・プラクティショナー
# Lisa Indra