初めまして。ストックホルムから北70kmに位置するウプサラ市にある、ウプサラ大学病院の外科に常勤専門医として勤務しているVLと申します。
スウェーデンでは初めはポスドクとして研究に従事しておりましたが、スウェーデンの医師免許、外科専門医資格を取得して、現在は臨床業務に従事しております。
こちらに来て知ったスウェーデンの医療ですが、特徴としては、医療費薬剤費の個人負担が大きくない、ということが一番に挙げられるでしょう。上限を超えた費用は県が負担します。病気になった場合、まずは家庭医を受診し、そこから必要に応じて専門各医に紹介という流れですが、医療コストを削減するため、アクセス制限、入院期間の短縮、最小限の検査や投薬が求められています。しかしながら、スウェーデン人の平均寿命は男性80.1歳、女性83.7歳と高い水準を誇っており、医療へのアクセス制限と平均寿命の関係はなさそうです。また、強引な延命医療はしないという特徴もあります。それは、限りある医療予算の問題というコンセンサスが国民の間で既に形成されているからともいえます。
ウプサラ大学は1477年に創立された北欧で最も歴史のある大学で、大学ゆかりの研究者には、植物学者リンネ、天文学者セルシウス(摂氏で有名)、物理学者オングストローム等がいます。また、これまでに15人の大学関係者(卒業生・教員等)がノーベル賞を受賞しています。そして、ウプサラ大学病院は300年の歴史がある1100床の教育研究機関ならびに総合病院です。
私が所属する外科は急性期外傷外科、上部消化管、下部消化管、肝胆膵、乳腺内分泌、血管、移植外科分野合わせ5つの病棟で稼働しており、約300人の医療スタッフが勤務しております。
それではよろしくお願いいたします。
#VL