スウェーデンでは、居住地の住所により、所属県(Landsting)の医療施設を受診するようになっています。特に、紹介状(Remiss)が必要な大病院での専門医受診は特別な事情がない限り、受診できる大病院は決まっています。しかし、旅行中であれば決められた県内の医療機関を受診することが難しいため、旅行先でも近医(Vårdcentralen)を受診することが可能になっています。これは県(Landsting)と契約している外来施設が対象となります。この中に歯科は含まれませんが、歯科は元々どこを受診しても良いため、旅行先でも受診は自由とのこと。
紹介状(Remiss)が必要でない外来であれば、当然、県内外にかかわらず受診できます。
急病の場合は、救急外来は国内どこでも受診が可能です。
(1177 Vårdguiden nr 2 2017)
地元のVårdcentralenでもなかなか時間が取れないのに、旅行中の短期間に医師への受診の時間が取れる訳ないじゃない!というお声も聞こえそうですが…。
スウェーデン人はサマーハウスに4-6週間滞在という事もよくあり、定期的に抗がん剤を受けている患者さんはサマーハウスのある地域で化学療法(抗がん剤)を受けることも可能です。但し、夏のスウェーデンの医療現場は何処も人手不足で、必ずしも県外からの患者さんの治療を受け付けることが出来るほどの余裕があるとも限りません。
まずはサマーハウスのある地域のどの病院で化学療法が受けられるか確認し、もし引き受けてもらえそうならば主治医に紹介状を書いてもらってください。主治医が紹介状を書いてくれないという事はないとは思うのですが、県外での治療費は、元々住んでいる県(病院)の支払いになり、地元でかかる医療費より高めに設定されています。県(病院)としては出来るだけ医療費を抑えたいので、残念ながら紹介状は書けないという答えが返ってくることもあるかもしれません。(私の経験では経済上の理由から紹介状を書かないというケースには出会ったことはありませんが、可能性としては0とは言えないかな?と思います)。ちなみに、患者さんが支払う限度額は国内均一です。
ストックホルムの私の職場では、毎年数人の患者さんがサマーハウスのあるGotlandのVisby病院で抗がん剤の治療を受けています。それと同時に、知らない場所で治療を受けるのは気が重いから、請求書や手紙などを自宅に取りに来るついでに、ストックホルムの病院で治療を受けるという患者さんもいらっしゃいます。
#Lisa Indra