東京都は7日、離乳食として蜂蜜を摂取していた足立区内の生後6カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡したと発表した。都によると、統計がある昭和61年以降、乳児ボツリヌス症での死亡は全国初。
蜂蜜は乳児ボツリヌス症の原因になる可能性があり、容器のラベルなどで1歳未満の乳児に摂取させないよう注意されている食品だが、家族は「知らなかった」と話しているという。
都によると、家族が1月中旬ごろからジュースに市販の蜂蜜を混ぜ、男児に飲ませていた。2月20日にけいれんや呼吸不全などの症状が出たため医療機関に搬送され、3月30日に死亡。男児の便や自宅の蜂蜜からボツリヌス菌が検出され、同菌が原因の乳児ボツリヌス症で死亡したと断定された。
都によると、61年以降、今回のケースを含めて全国で36例の発症が確認されている。(産経ニュース2017年4月7日)
生後1 年未満の乳児には蜂蜜を与えないでください!
厚生労働省HPより。
ボツリヌス食中毒は毒素そのものを摂取して発症するが、乳児ボツリヌス症の場合は生体内で増殖した菌が毒素を産生して病気を引き起こす。そのためまれには、治療として抗菌薬投与による除菌が行われる場合がある。また、ボツリヌス食中毒で行われる抗毒素療法は、患者が乳児であること、致命率が高くないことなどの理由から、一般には行われない。
患者は頑固な便秘を呈するため、発症後長期間にわたり菌および毒素が便より検出され続ける。そのため、入院中の患児の看護・管理においては、医療従事者が二次感染の伝播者となることのないよう十分な注意が必要である。
離乳前の乳児は、離乳後にくらべると腸管内の微生物叢がまだ不安定で、ボツリヌス菌の感染に対する抵抗力が低いと考えられている。そのため、乳児ボツリヌス症の予防には、芽胞による汚染の可能性がある食品(ハチミツ、コーンシロップ、野菜ジュースなど)を避けることが唯一の方法である。#Admin