スウェーデンでは正職員・臨時職員で働いていれば、誰もが6ー8月中に4週間の夏休みの取得の権利があります。当然その権利は医療従事者にも適応されます。
多くの職員が同時期に休暇を取ることから、夏のスウェーデンの医療施設はどこも人手不足です。病院では手術件数を減らし、一部の病棟は閉鎖と、日本では考えられないような対応が取られます。
「夏に病気になってはいけない…」というのは、冗談ではなく、半ば本音です。
スウェーデン、バルト海に浮かぶGotland。県都はVisbyで、そのVisbyの中心地にある城壁都市は世界遺産にも登録されています
このGotlandで働く医療者も当然のごとく約4週間の夏休みを取ります。島に住んでいるスタッフだけでは病院が回らないので、毎年夏にはスウェーデン本土からバイトを募ります。そのバイトは給料の他に、Gotlandへの旅費、宿泊費一日当たり300krが支給されます。バイトが決まると、病院から宿泊先リストが送られてきます。ワンルームから2DKくらいまでのリストの中から、自分に合ったものを選択。当然広い物件程高くなりますが、週2100kr支払われる補助との差額は自己負担となります。私が「Gotlandで働きながら観光するのも悪くないなー」と思い、Gotlandで2週間の夏のバイトをした時には週2500kr位のところを借りたので、自分達の負担は週400kr。夏のGotlandでこの価格は破格のお値段でした。
勤務先は日ごろ働いている場所と同じような職場。職場こそ違っても、行うことは日ごろしている事とほぼ一緒。しかも、都市と違ってGotlandの病院のテンポはかなりのんびりペース。夏のスウェーデンは夕方がかなり明るいので、勤務のあとに市内を観光したり、海で水浴びをしたりと、十分休暇気分が味わえます。しかも、職場までの通勤時間もとても短いし、病院は城壁のすぐ脇なので城壁内を観光しながら毎日徒歩通勤。
スウェーデン人の同僚には「自分の休暇中にわざわざ働くだなんて信じられない」とびっくりされますが、夏の休暇は7ー10日間という日本から来ているので、休暇中にGotlandで働くのは苦ではない私。バイトなしの休暇も2週間残っている訳だし。ちなみに私と同じように自分の休暇中にGotlandで働くのはイラン出身の同僚のみ。私たち二人ともスウェーデンに長く住んでいますが、休暇に対しての価値観はスウェーデン人になりきれていないようです。
# Lisa Indra