メンバー紹介:Green Loverです。

 スウェーデンの看護大学を卒業してもうすぐ5年となります。最初の勤務先はホスピスで数ヶ月ですが緩和医療に携わりました。現在は大学病院の消化器外科病棟で働いています。
 日本の大学では英文学科で西洋思想史を専攻。20歳でアメリカに留学したことをきっかけに女性学や人種問題などに興味を持ち、高校の英語教員になる計画でしたが、いろいろな社会経験が必要だろうとまずは民間企業に就職。そこで5年働いた後にイギリスの大学へ留学。女性学の修士号を取得しました。留学中に現在のパートナーと出会いますが、一旦日本へ帰国して女性センターで5年働いたのち、2004年にスウェーデンに移住しました。
 そんな私がスウェーデンで看護師になる決意をした動機は3つ。
1)手に職をつけて確実に就職できる道を選びたかった。
2)人間相手の仕事がしたかった。
3)2008年に自分自身が日本で手術を受け、医療現場に強い関心を抱いた。
 2009年に40歳で看護大学に入学。43歳で看護師デビューして今に至りますが、今でもこの道を選 んでよかったと思っています。看護師の仕事はきつい、大変、走り回っている。というイメージが強いと思いますが、患者さんの状態を少しでも改善するために、自分の知識と経験に基づいて様々な判断し、ケアを施し、その効果をすぐに確認できるという、とってもやりがいのある仕事です。3年前からは看護学生の指導責任者となり、教員になる夢も半分叶えたような、ありがたい環境で働いています。
 看護師の労働条件はまだまだ改善の余地がありますし、スウェーデンの医療システム自体も大きく変わろうとしている時代ですので、日本人医療従事者の会は、貴重な情報交換、意見交換の場を提供してくれるものと期待しています。会のメンバーだけでなく、ページを訪れてくださる方にとっても有意義な情報発信の媒体となるよう、私も微力ながら貢献できればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
#Green Lover

ストックホルム市内テロ発生時の病院からのレポート

4月7日金曜日、15時前に、ストックホルム市中心のDrottninggatanで盗難車である大型トラックが歩行者天国を500メートル以上暴走し、最後はデパートに突っ込むというテロがありました。現場で3名死亡、病院で1名死亡と、現在まで4名の死亡者が出ています。逃走したと思われる容疑者はストックホルム郊外で拘束されました。当日は公共交通機関はストップし、現在も街の中心は閉鎖されています。事件直後から各病院は緊急事態体制を取り対応に当たりました。

 

attack

Attack in Stockholm, Sweden. This has happened.http://t.sr.se/2p9oZC3

Opslået af Radiokorrespondenterna på 7. april 2017

トラックがものすごいスピードで歩行者天国を走るのが見えます。

当日ちょうど午後勤務に当たっていたGreen Loverさんから、病院の現場での対応についてレポートしていただきました。

 

私は昨日は午後勤務で、事件が起こったのはちょうど午前勤務の同僚から引き継ぎを終えた頃だったと思います。私の病棟A24a は消化器下部外科病棟で普段のベッド数は15ですが、去年から看護師が続々と辞めているのでここ最近はベッド数を10まで減らしている状態です。午後勤務スタッフは看護師2人、准看護師2人の計4人でした。16時前には帰宅途中だった上司、ベテランナースの一人が職場に戻ってきた時点で患者の数は9人でした。

 

私の病棟のお隣はTrauma(外傷)の患者を専門に受け入れる病棟なので、まず上司たちが指示したのは、お隣の病棟が緊急患者を受け入れる準備ができるように、お隣の病棟で軽めの患者をどんどんうちの病棟に移す準備でした。そのために、うちの病棟の患者さんのうち、近日中にリハビリ施設に移動予定となっている患者さん4人について、リハビリ施設に連絡を取り、すぐに受け入れてもらえるよう打診。4人とも受け入れてもらえることになり、2人はリハビリに送ることができたのですが、後の2人は少し時間が遅れたためにタクシーが予約不能の状態になり、結局病棟に残りました。最終的にお隣の病棟からは4人の患者を受け入れましたが、私が22時頃に仕事を終える頃にはNormalt läge (正常状態)に変更になって、お隣の病棟にも空きベッドがある状態だったので、2人の患者さんは送り戻しました。私のお隣の病棟では看護師たちが災難時に着用する黄色いベストを来て仕事をしているのが遠くに見えましたが、実際どのように動いているのか、こちらも仕事で忙しく確認することはできませんでした。上司からは19時頃に責任者となる医者の名前を告げられました。また、バスや電車が全面停止になっている状態だったので帰宅できない職員はAkuten(救急外来)に行って登録すればA25a病棟のベッドで休むことができると連絡がありました。

 

昨日感じたことは、上司の素早い反応がとても重要であること。それでも、連絡事項は全て口頭だったので、全体の状況を把握するのはとても難しいなと思いました。AkutenやTraumaのオペなどに携わった人たちはもっと修羅場を見たのではないかと思いますが。しかし、運ばれてきた患者さんが比較的少なかったようです。それにしても、通常時でさえベッド数を減らさなければいけない状態なのに、今後こうした緊急時にはどうやって対応すればいいのか。深刻な問題です。

Ge terroristerna största möjliga motstånd, varje dag: Visa medmänsklighet, skriver Elisabeth Åsbrink.

Opslået af Dagens Nyheter på 8. april 2017

 

#Admin


医師は難民の患者にどう対応すべきか

スウェーデンの医療現場では、移民は勿論の事、難民や居住権を申請中の難民が患者さんとしてくることがしばしばあります。中には、明らかに違法なやり方で居住権を申請している難民もいますが、スウェーデンでは基本的に医療者が例えば、移民局に通報することはありません。各部門が所有しているデータベースを使いまわしてはいけないという決まりもあります。ですので、居住権を持たない難民(通常のパーソナルナンバーを持っていません)であっても、スウェーデン人と同じように医療を供給するというのが医療者のスタンスです。

この記事では、スウェーデン医師会は難民の追放や居住権却下に加担すべきではないと表明したことについて書かれています。

どんな時でも、患者のため、患者のベストになる医療行為を行うべきであり、行政の役に立つような、居住権却下の際の強制的投薬や、追放の際の強制措置に貢献することは、医師としての倫理に反するものであるとしています。

確かに、経験上も、全ての人に平等な太っ腹なスウェーデンの医療というイメージを持っています。移民難民の医療には、コストがかかるだけでなく、自国民に対する医療行為が遅延するという影響もあり、今後、同じ方針で医療崩壊せずにやって行けるのかどうか、興味があるところです。

#Admin

 


生後1 年未満の乳児には蜂蜜を与えないでください!

東京都は7日、離乳食として蜂蜜を摂取していた足立区内の生後6カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡したと発表した。都によると、統計がある昭和61年以降、乳児ボツリヌス症での死亡は全国初。

蜂蜜は乳児ボツリヌス症の原因になる可能性があり、容器のラベルなどで1歳未満の乳児に摂取させないよう注意されている食品だが、家族は「知らなかった」と話しているという。

都によると、家族が1月中旬ごろからジュースに市販の蜂蜜を混ぜ、男児に飲ませていた。2月20日にけいれんや呼吸不全などの症状が出たため医療機関に搬送され、3月30日に死亡。男児の便や自宅の蜂蜜からボツリヌス菌が検出され、同菌が原因の乳児ボツリヌス症で死亡したと断定された。

都によると、61年以降、今回のケースを含めて全国で36例の発症が確認されている。(産経ニュース2017年4月7日)

生後1 年未満の乳児には蜂蜜を与えないでください!

厚生労働省HPより。

ボツリヌス食中毒は毒素そのものを摂取して発症するが、乳児ボツリヌス症の場合は生体内で増殖した菌が毒素を産生して病気を引き起こす。そのためまれには、治療として抗菌薬投与による除菌が行われる場合がある。また、ボツリヌス食中毒で行われる抗毒素療法は、患者が乳児であること、致命率が高くないことなどの理由から、一般には行われない。
患者は頑固な便秘を呈するため、発症後長期間にわたり菌および毒素が便より検出され続ける。そのため、入院中の患児の看護・管理においては、医療従事者が二次感染の伝播者となることのないよう十分な注意が必要である。
離乳前の乳児は、離乳後にくらべると腸管内の微生物叢がまだ不安定で、ボツリヌス菌の感染に対する抵抗力が低いと考えられている。そのため、乳児ボツリヌス症の予防には、芽胞による汚染の可能性がある食品(ハチミツ、コーンシロップ、野菜ジュースなど)を避けることが唯一の方法である。#Admin


よくある症状:どんな時に診療所(病院)に行ったらいいの?

よくある症状:どんな時に診療所(病院)に行ったらいいの?

Vanliga symtom – när ska jag söka vård?

スウェーデンでは風邪のような軽い症状の場合、医師に会うことは滅多にありません。インフルエンザでも、安静にして対処療法(解熱鎮痛剤や、水分補給など)をしていれば治癒するという考え方から、インフルエンザの検査は普通しませんし、インフルエンザと診断されてもタミフルを処方されることはまずありません。タミフルは有熱期間を短縮するくらいの効果しかないことがわかっていますし、医師に受診をする前にEgenvårdと言って自分で対処できるようなことをするのが、一般的だからです。

日本とは全く違うシステムなので、こちらに引っ越してきた方にはなかなか慣れない感覚だと思います。

 いつまでも症状が続いていて、心配なんだけれど。

一体どんな症状ならば自宅安静で大丈夫で、どんな症状なら診察を受けたほうがいいの?
自宅で様子を見ている間に、悪くなっちゃったりしないの?

心配だから、診療所(病院)に行きたいのに、全然予約が取れない!

と、思う方も多くいらっしゃるかと思います。

Vårdguidenの中に、こんなページを見つけました。

Vanliga symtom – när ska jag söka vård?

よくある症状:どんな時に診療所(病院)に行ったらいいの?

スウェーデン語が出来ないと難しいかもしれませんが、ちょっと試しに覗いてみてください。

・発熱

・のどの痛み

・咳

・鼻水・鼻づまり

・尿路系の症状(女性)

・尿路系の症状(男性)

・耳の症状

の7つのよくある症状で、何処に行くのが一番いいのか?という事が分かる仕組みになっています。

最初の項目は年齢です。1-18才、18歳以上のふたつの選択肢から選びます。

2つ目の項目は症状を選びます。(一般的な症状である上記の7つのみ)

最後の項目は症状の状態を選びます。

そうすると、市販薬の内服で様子を見るべきなのか?近医に診てもらうべきなのか?それとも救急外来に行くべきなのか?という事が判断されます。それと同時に、これらの質問から予測される病名が出てきて、その病名のリンクへ飛ぶことが出来るようになっています。

このページは1歳以下のお子さんや、状態が非常に悪い人には適当ではないと最初に注意書きがあります。また、これはよくある7つの症状以外は判別が出来ないので、他の症状の場合は電話相談1177に連絡をするようにとのことです。

ここで「Vårdcentralen(VC、診療所)へ受診をしたほうが良い。」とされれば、まず予約が取れないことはないと思うのですが、もし取れなければ「Vårdguidenでチェックをしたら、VCに連絡するようにという事でした。」と、言ってみるのもいいかもしれません。

英語やスウェーデン語が出来ないと、なかなか電話で医療相談をしたり、電話でVCの予約をするのは大変かと思います。しかし、Vårdguidenに個人でログインをすれば、VCの予約もできますし、予約なし(Dropp in)で受け付けてくれる時間があるVCもあります。

Lycka till!

#Lisa Indra 


メンバー紹介:AUです。

初めまして。私は、リンシューピン大学病院で研修医として2017年1月から働いています。

 
2011年、スウェーデンに交換留学として来た際に現在のsamboに出会い、2013年に日本で大学卒業、医師免許取得後にスウェーデンに移住して来ました。

移住後、最初の年はスウェーデン語の取得、次の年はEU外で医師免許を取得した医師の為のコース、KUL( Kompletterande utbildning för läkare med utländsk examen ) を1年間受け、その後リンシューピンのvårdcentralで1年間underläkareとして働きました。2016年の秋には1ヶ月間、東ティモールのバイロピテクリニックでボランティアとして主に外来で働かせていただきました。

現在は初期研修医 AT (Allmäntjänstgöring) としてリンシューピンで働いています。AT 21ヶ月の間に、内科、外科、麻酔科、救急外来、精神科、vårdcentral などで研修予定です。
スウェーデンで働き始めてから、Socialmedicinに興味を持ち、将来は低所得国 låginkomstländerでの医療にも携わりたいと考えていますが、まだ後期研修 ST (specialisttjänstgöring) については検討中です。

スウェーデン語を勉強すると同時に英語や日本語までも下手になっていますが、まだまだスウェーデン語も上達しなければと日々感じています。
未熟者ですが、どうぞ宜しくお願いします。

#AU


アンチ抗生剤濫用キャンペーン

スウェーデンでは、日本のように抗生剤の濫用が行われていません。それでも、現状の使用方法は不要な処方が多いと言う批判が常にあり、さらに抗生剤の使用を減らす努力がされています。

このビデオは、国境なき医師団のキャンペーンビデオです。和訳をつけておきましたのでご覧になってください。

 

En skräckhistoria – från verkligheten

Du dör inte av ett litet sår i Sverige idag. Men nu är världen på väg att färdas 70 år tillbaka i tiden.Vi vill berätta en skräckhistoria – från verkliga livet. Häng med!

Opslået af Läkare Utan Gränser/ Médecins sans Frontières (MSF Sweden) på 26. marts 2017

これくらいの傷では、今、死にません。

しかし、長い目で見ると、感染した小さな傷が命に関わることがあります。

世界は70年前に戻ろうとしています。

現実の怖い話をしたいと思います。

いいですか。

(Karin Nordstrand、ノルウェー国境なき医師団代表)

今日、多くの肺炎の患者さんが死亡することがないのは

モダンな病院のためでも、新しい技術や投資のためでもありません。

最も大きな理由は、抗生剤です。

多くの人が敗血症で亡くなりました。

また肺炎でも。1941年にペニシリンが発見される前は。

感染した創によっても亡くなりました。

しかし、今、細菌は人間に勝とうとしています。

我々が新しい治療を開発するよりも早いスピードで、細菌は耐性となります。

そして、それは我々自身の過ちから生じたものなのです。

毎年、何百万トンもの抗生剤が処方されます。

抗生剤を必要としない人たちに。

そして、さらに多くの抗生剤が、鶏や豚といった動物に投与されます。

彼らが病気であるからではなく、

より早く太らせ、成長させるために。

しかし、怖い話はここで終わりません。

製薬業界は今、

新しい抗生剤の研究をすることをやめました。

何が起こるのでしょうか?

これらの研究は、業界にとって非常に大事なはずです。

人類の健康にプライオリテイーをおく研究こそが。

しかし、そうではないのです。

もし、我々が効果的な抗生剤を必要なのであれば、

抗生剤の過度の使用を止めなければいけません。

そうすれば、業界に入るお金は減ります。

だから、彼らは投資をするのをやめました。

経済学者はそれを、「市場の失敗」と呼びます。

私はそれを「愚行」と呼びます。

効果的な抗生剤のない世界は非常に恐ろしいものです。

私たちにはそれを阻止する責任があるのです。


准看護師制度の日瑞比較

日本とスウェーデンにおける准看護師制度の始まり

 日本では戦後1948年に看護制度の改革が行われ、新しい法律が制定されると共に、看護師の中に看護職AとBが設立された。その後1951年の改革で、看護職A は正看護師に、Bは准看護師に改定された。准看護師制度が設立された背景には、予想された正看護師の不足が挙げられる。戦前においては、看護師は単に医師のアシスタントとみなされていたが、戦後はプロフェッショナルな職業のステータスを得た。その反面、高い教育が求められたため、看護師の不足は十分予想されうるものであった。そのために、義務教育を終えた後2年間の教育を受けてなることができる、准看護師制度が設立された。

 一方スウェーデンではすでに1930年代に、女性を看護職にリクルートするのが難しい状況であった。女性たちは別の職業を求めたからである。1940年代にスウェーデンの医療制度が大幅に拡大されると、看護職不足の深刻な危機が訪れた。病床数は1920年に11,000床であったのが、1946年には24,000床にまで拡大したが、看護職につく女性の不足のために、それ以上の拡大は不可能な状態であった。解決策として、それまで病院で働くことを義務付けられていた看護学生の病院勤務をなくすことによって、看護教育を半年短縮すること、そしてそれまでの看護補助者(sjukvårdbiträde)に短期間の訓練を与えて、准看護師(undersköterska)に格上げするという方策が取られた。最初の准看護師は1947年に登場した。

日本とスウェーデンの准看護師教育

 日本で准看護師になるためには、主に2つの教育制度がある。1つは高校で衛生看護科に入ること。もう1つは中学校卒業後に、2年間の准看護師養成所に入ることである。どちらも修了後に都道府県の資格試験を受け、合格者には准看護師の資格が与えられる。資格は都道府県知事名で与えられるが、資格を取得した以外の都道府県で働くことは可能である。2013年の時点で、日本全国に236の准看護師養成機関があり、うち17が高等学校で、それ以外は専修学校や各種学校のカテゴリーに入っている。准看護師教育への入学条件は、9年間の義務教育を終えていることであるが、大学卒業者や社会人経験者も多く出願している。

 スウェーデンの准看護師教育制度も日本と似通っており、高校で看護介護プログラム(Vård- och omsorg)を3年間取るか、成人教育の教育機関で看護プログラム(omvårdnadsprogrammet)を取る方法がある。後者の学習期間はおよそ1年半である。日本の場合と異なり、成人教育の機関で准看護師の勉強をした者に対して、国や地方自治体が認める正式な資格証はない。

医療の学術化(academization)の中の准看護師の位置づけ

 日本においてもスウェーデンにおいても、准看護師の職場は病院、クリニック、介護施設、患者の家など多様である。スウェーデンにおいては、病院における正看護師と准看護師の仕事内容には比較的明確な一線が引かれており、例えば基本的に病院において准看護師は薬剤を扱わないことになっている。日本においては、准看護師の実際の仕事は正看護師の仕事と大きく異ならない場合が多いが、基本的な違いは、准看護師は医師、歯科医、看護師の指導の元に仕事をするということが挙げられる。医療技術の高度化に伴い、病院における看護職には高度に科学的で学術的な能力が求められる。そこで准看護師と正看護師の仕事内容が大きく異ならないという点に関して、1つ大きな問題点が指摘されており、日本看護協会と日本医師会の歴史的な対立を招いてきた。

 日本看護協会は、准看護師教育の質は近代化された病院での勤務にふさわしい質のものではないと 指摘し、准看護師制度を廃止して正看護師制度に一本化することを主張してきた。しかしながら、准看護師養成機関には、各地域の医師会によって運営されているものが多く、准看護師学校の学生は卒業と同時に、学校の運営母体である医師会が経営している病院やクリニックに勤務する事例が多い。またお礼奉公をさせられるような例も挙げられている。日本看護協会は、医師会が准看護師を安く雇用してきていることを批判し続けている。2004年には、10年以上准看護師として勤務した者が希望すれば、2年間の通信教育を経て正看護師に格上げされるという制度ができ、日本看護協会はこの制度を利用しようとする准看護師の支援をしており、2009年からは奨学金も設立された。

 一方医師会は、正看護師、准看護師、看護補助者の3層から成り立つ医療制度の重要性を主張している。医療機関の中には、小規模な地域のクリニック、大病院、高度で近代的な設備を整えた大学病院などがあり、それぞれの医療機関では異なるタイプの看護スタッフが必要とされており、准看護師は小規模な地域の病院やクリニックで、重要な役割を果たしていると主張している。加えて、高齢化社会の中で准看護師へのニーズは高まっていることも主張している。しかしながら、全体的に正看護師の数が順調に増加しているのに対し、准看護師の数は減少しつつある。

 スウェーデンにおいても、正看護師と医師の数が順調に増加しているのに比べ、医療機関における准看護師の数は減少しつつある。この背景には3つの要素があり、第一にエーデル改革によって医療と介護が分けられ、医療機関では介護の面が縮小し、医療の面が強まったこと。第二に新しい医療方法によって患者の入院日数が減り、病院における介護の必要性が減ったこと。第三に予算削減の中で、職業教育を受けた者よりもアカデミックな教育を受けた者の雇用が優先されるようになったことが挙げられる。

今後の准看護師

 日本においてもスウェーデンにおいても、医療機関における准看護師のニーズと雇用は減少しつつあるとはいえ、完全になくなることはないと予想される。日本においては、特に小規模の地域の病院やクリニックでは、准看護師は重要な役割を果たしている。スウェーデンにおいても、高度に専門化された大学病院でも、入院患者の介護をする准看護師は必要とされている。

 一方で、医療機関以外の介護や福祉機関で働く准看護師の数は、順調に増加している。日本においては、病院勤務の准看護師の数は2004年から2012年の間に40,794人減少したが、長期介護施設勤務の准看護師は、同じ時期に18,229人増加している。スウェーデンにおいても、自治体に雇用されている准看護師の数は、2010年から2013年の間に7,572人増加している。

 このように、患者に近く寄り添った介護の分野で、准看護師のニーズは絶え間なくあると同時に、高齢化社会において高齢者の介護における准看護師の役割はますます重要になると思われる。
#Birdwatcher


メンバー紹介:Birdwatcher です。

はじめまして。現在カロリンスカ大学病院ソルナの、癌クリニック内の放射線治療科で、准看護師として勤務しています。それと同時に、社会科学の分野の独立研究者でもあります。元々国際教育学でストックホルム大学から博士号を取り、2009年まで国際教育研究所(当時)の研究者でした。教育社会学の分野で基礎研究に関心があったのですが、研究環境の悪化から研究所をやめ、ずっと昔からの“人生で一度は病院で仕事をしてみたい”という夢を実現するために准看護師になりました。3年間フルタイムで勉強して看護師になるのは難しいと考えました。

准看護師になって6年目で、それまでは様々な仕事についていました。日本ではJICAの嘱託、青年海外協力隊員の日本語教師、国際交流基金の派遣日本語教育専門家などをしていました。修士号はカナダの大学で、先住民研究の分野で取り、先住民が抱えている様々な問題にはずっと強い関心を持っています。

現在の職場は、放射線治療の中でも特殊なBrachy Therapyというセクションで、主に前立腺癌と子宮頸癌の患者さんの治療チームに入って仕事をしています。自分の研究では、現在は市民社会の研究に取り組んでいます。趣味はクラシック音楽、民族音楽、オペラ、バードウォッチングです。ヴァイオリンに魅せられ、昨年から習い始めました。よろしくお願いいたします。

#Birdwatcher


bajsときたら、、、。

申し訳ありません。畳み掛けるようにbajsの話題です。

 

bajsときたら、次はkiss。これは、「キス(接吻)」ではなく、「おしっこ」です。医学的には、「urin」なのですが、kissも頻用されています。日本でもスウェーデンでも、子供たちにとって、bajsやkissは欠かせない話題。箸が転んでもおかしい年頃という表現がありますが、bajsやkissで理由なく笑えるのが子供たち。

 

スウェーデンには、子供たちに人気のkissとbajsのマスコットがあります。結構可愛いので、ご紹介。

その名もkiss och bajs

可愛いですよね。お土産にもオススメです!

#Admin